個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリットとデメリット調べてみた!

お金の話

個人型確定拠出年金(イデコ・iDeCo)は節税効果の高い制度だとよく目にしますが、本当にお得なのか、自分なりに調べてみました。

 

最初に結論から言います。

フリーランスなど、個人事業主として生計を立てている人であれば絶大な節税効果があり、「やらなきゃ損!」と言って間違いないです。

でも、普通の会社員や公務員にとっては、節税効果はそれほど実感できないかも。
もちろん、やらないよりはやったほうが節税になりますが、iDeCo以外にも節税できる制度は色々ありますから、必ずしもiDeCoである必要はないというのが正直なところ。

 

では、iDeCoの制度ってどんなもので、どんなメリットやデメリットがあって、どんな人にとってオススメなのかを見ていきましょう。

 

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個人型確定拠出年金(iDeCo)って何?

確定拠出年金の制度についてまずは簡単に見ておきましょう。

確定拠出年金とは、自分で自分が受け取る年金(退職金)を積み立てて用意する制度です。

拠出した年金及び運用益は、原則60歳以降にならないと受け取ることができません。

確定拠出年金の運用は、元本保証型の運用もあれば、投資信託などのリスクを負うが高配当の運用方法もあり、自分で運用したい金融商品を選択することができます。
資産運用が上手くいけば積み立てた金額よりも多くを年金として受け取ることができますが、運用が上手くいかないと、積立額よりも少額しか受け取ることができません。

拠出した年金の受け取り方は2種類から選ぶことができます。
1つは、年金を受給することができる年齢になったときに、一時金としてまとめて受け取る方法。
もう1つは、年金として分割して受け取る方法です。

退職金としてまとまったお金を受け取って、リタイヤ後に自分で資産運用をする人もいれば、年金として受け取ることで老後の安定した生活に備える人もいて、人それぞれです。

stevepb / Pixabay

 

確定拠出年金には、企業型個人型の2種類があります。

所属している企業が確定拠出年金を導入している場合は、企業が拠出する「企業型確定拠出年金」に加入します。
企業が、従業員に支払う給料から天引きして積み立てを行うため、個人で手続きが必要ありません。

企業型確定拠出年金の積み立てをしていれば、従業員の退職後に基礎年金・厚生年金に上乗せして企業年金として積み立てたお金を受け取ることができます。

 

しかし、お勤め先に企業年金の制度がない場合や、個人事業主などの国民年金を払っている人が加入できるのが「個人型確定拠出年金(iDeCo)」です。

iDeCoは、個人型というだけあって、企業ではなく自分個人で掛け金を支払う必要があります。

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確定拠出年金(iDeCo)のメリット

確定拠出年金が、財形貯蓄やただの投資信託と大きく異なるポイントは、大きな税制優遇が受けられることです。

確定拠出年金で受けられる税制優遇は、以下の3点。

1 確定申告することで税額控除を受けられる
2 利息や運用益が、全額非課税
3 受給時に、公的年金控除か退職所得控除によって所得税を減らすことができる

ちょっと言葉だけ見てもわかりにくいと思うので、具体的に説明していきます。

 

1 確定拠出年金を積み立てたら、確定申告することで税額控除を受けられる

確定拠出年金として積み立てた掛け金は、「小規模企業共済掛金等掛金控除」という枠で全額所得控除を受けることができます。
確定拠出年金として積み立てることができる掛金は、人によって異なるので、自分がいくらまで掛け金を拠出できるか確認が必要です。

職業月々の積立上限額年間の積立上限額
自営業者68,000円816,000円
公務員12,000円144,000円
専業主婦(専業主夫)23,000円276,000円
会社員(企業年金なし)23,000円276,000円
会社員
(企業型確定拠出年金あり)
20,000円240,000円
会社員
(確定給付企業年金あり)
12,000円144,000円

 

確定申告を行うことで、確定拠出年金として積み立てた金額が、あなたの所得金額から差し引かれます。
所得金額が減ることになるので、所得金額を基準に算出される所得税と住民税を節税することができます。

掛金額や収入額にもよりますが、仮に月1万円を掛金とする場合、年間で12万円の所得を減らすことができ、年間で2万円程度の節税効果があります。
30年間継続して月1万円を掛金とすれば、生涯で60万円ほどの節税になります。

 

もちろん、掛金は月1万円と言わず、もっと大きい金額を掛けることも可能です。
現行の制度だと、公務員や一部の会社員は月12,000円までしか拠出することができませんが、個人事業主なら月68,000円まで掛けることができます。

ただお金を払っているのではなく、将来のためにお金を積み立てているだけで節税になるため、かなりお得ですよね。

2 確定拠出年金による利息や運用益が、全額非課税

確定拠出年金の運用先は自分で選択することができ、大きな運用益が見込める金融商品に投資をするということも可能です。

ふつう、運用益が出た場合は所得分離課税として、運用益の20.315パーセントが税金として持っていかれます。
しかし、確定拠出年金による運用の場合、運用益にはいっさい課税されません。
ただ預金口座に預けておくよりも大きなリターンが得られる可能性があるのに、積み立てた金額も所得から控除されるのでとってもおいしい。

運用益が非課税になる制度としては他にNISAや財形貯蓄などがあります。
NISAはともかく、財形貯蓄をするくらいならiDeCoをやったほうが絶対にお得です。

財形貯蓄がまったくメリットがない制度だということは以下の記事で紹介しています。

財形貯蓄制度ってまったくメリットないし損だからやめたほうがいい
みなさんの職場にも導入されているかもしれない、財形貯蓄制度。 財形貯蓄ってなに?というレベルの人に銀行の言い分を要約すれば、財形貯蓄の特徴は以下の3点。 ・特定の目的(住宅関連資金あるいは年金)のための積立金 ・...

 

ただし、iDeCoは運用することで損失が発生する可能性もありますが、損失についての救済もないので注意。

AhmadArdity / Pixabay

3 年金受給時に、公的年金控除か退職所得控除によって所得税を減らすことができる

iDeCoで積み立ててきたお金は、年金受給資格が生じるときに、退職金として一括で受け取るか、年金として少しずつ受け取るか選択できます。

退職金には、退職所得控除というものが適用されるため、退職金のうちの一部、あるいは全額が所得控除されます。
退職金制度がない会社や、退職金の額が少ない会社に属している場合であれば、iDeCoとして積み立てておいたお金を受け取るときに、全額非課税にできそうです。

 

ただ、退職金が支給されるような職場の場合だと、職場から支給される退職金だけで、退職所得控除の枠をすべて使い切ってしまう場合があるため、あまりメリットはありません。

そういう場合は、年金として受け取ることで、年金所得控除の対象にすることができます。
会社員や公務員の場合は、年金として受け取った方がお得になるケースが多そうです。

 

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確定拠出年金(iDeCo)のデメリット

いいことづくめのように見えるiDeCoですが、デメリットもあります。
人によっては、iDeCoを利用しないほうがお得になる場合もあるので、注意が必要です。

主なデメリットは、以下の4つ。

1 積み立てしているお金は、原則退職金をもらえる年齢まで引き出せない
2 iDeCo専用口座の開設時に手数料と、毎月口座維持費がかかる
3 積み立てたお金を受け取るときに所得税がかかる
4 積立金受け取り時に元本割れするリスクがある

デメリットについて、ひとつひとつ説明します。

1 積み立てしているお金は、原則退職金をもらえる年齢まで引き出せない

これは、積み立てをしている以上仕方ないことですね。
退職金、あるいは年金として受け取るために積み立てをしているので、受け取れる年齢までは原則として引き出すことはできません。

特に、若いうちは手取り額も少ないので、あまり月々の積立額を多くしすぎると大変かも。
iDeCo以外にも、個別株に投資したり、積み立てNISAに投資したり、投資額をその時々の実情に合わせることができる投資先がいろいろあります。

あまり若いうちは、iDeCoに投資するためのお金を別のものに投資したり、遊ぶお金にしたほうが人生は豊かになるかも・・・?

2 iDeCo専用口座の開設時に手数料と、毎月口座管理費がかかる

iDeCoには節税効果がありますが、その一方でiDeCo専用口座の開設手数料や、毎月の口座管理手数料がかかります。

口座開設手数料はだいたい3,000円、毎月の口座管理手数料は、最低でも国が積立金から徴収する167円がかかります。
口座を作った銀行によって口座管理手数料はバラバラで、銀行が受け取る手数料はゼロ円というところもあれば、銀行の取り分手数料として毎月500円ほど徴収するというところも。

年間で見るとそこそこ大きいコストです。

毎月の積立額が多くても少なくても口座管理手数料は定額なので、少額を積み立てするのであれば、いっそiDeCoは利用しないほうがマシかも。

 

3 積み立てたお金を受け取るときに所得税がかかる

積み立ててきたお金をいざ受け取ろうというときにも要注意。
自分のお金を積み立ててきたとはいえど、受け取ったお金は所得税の計算対象です。

iDeCoで積み立てたお金は受け取り時に、退職所得控除、あるいは年金控除の対象にすることができるので、所得税を減らすことができることがメリットだと述べましたが、受け取れる退職金、あるいは年金がもともと高額な人の場合、所得控除の恩恵を受けることができません。

なぜなら、もともとの退職金や年金で、すでに控除可能額の枠をほとんど使い切ってしまうから。

 

公務員や大手企業の社員など、退職金も年金もそれなりの額がもらえそうな見込みの人は、iDeCoでお金を積み立てることで損をしてしまうこともあるかもしれません。

とはいえ、退職金は、いまの現役世代が退職するときにどれくらい支給されるか全くわかりません。
特に、公務員の退職金はここ10年くらいで退職金は大幅に削減されています。
具体的には、10年前に50歳で早期退職した人のほうが、今年60歳で満期退職した人よりも退職金が多いというくらいに退職金が削られています。

 

また、公務員にはかつて共済年金という、サラリーマンが加入する厚生年金よりも優遇された制度がありましたが、今は公務員もサラリーマンと同様厚生年金に加入することになっているため、老後にもらえる年金の額は少なくなる可能性が高いです。
年金が恵まれているとされている公務員ですが、年金として積立金を受け取ることで、控除の枠をフルに活用できることができるかもしれません。

当然、会社員も同様で、退職金として受け取るのはメリットがない場合でも、年金として受け取ることで最大限のメリットを受けることが可能かも。

stevepb / Pixabay

4 積立金受け取り時に元本割れするリスクがある

iDeCoは貯蓄ではなく、投資です。
元本割れするリスクは避けられません。

iDeCoの投資先として、元本保証型の商品を選択したとしても、元本未満の金額しか受け取れない可能性はあります。
なぜかというと、2つ目のデメリットでお伝えした、口座管理手数料が高額だから。

せっかく生活費を節約してコツコツ積み立ててきたのに、受け取ってみたら自分で運用したほうがマシだった、という可能性は大いにあります。

もちろん、資産の運用はプロがやってくれますから、増えるときはしっかり増えます。
ただ、必ずしも増えて戻ってくるのではなく、受け取り時には拠出額よりも少なくなってしまうというリスクが潜んでいることは認識しておかなければいけません。

 

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iDeCoのまとめ。必ずしも万人にお得な制度ではないかも

iDeCoの運用をして損をする人もいれば、得をする人もいます。

得をする人は、具体的には以下のような人でしょう。

・退職金がもらえない、あるいは少額な人
・個人事業主で退職金という概念がない人
・生活に十分な年金を受け取ることができない人

特に個人事業主は、月68,000円、つまり年間で816,000円もの所得控除を受けることができるので、非常にお得です。
仮に30年間iDeCoに拠出すれば、2,448万円もの所得控除を受けることができますから、節税効果は絶大で、加入しないのは損といえます。

 

逆に、損をする可能性がある人はこんな人かな、と思います。

・退職金が多く、かつ拠出限度額が小さい公務員
・退職金が多く、企業年金に加入している企業の社員

公務員は月12,000円、年間で144,000円までしか積み立てすることができないので、メリットが少ないです。
もし今後拠出できる上限額が大きくなれば、非常にメリットが大きい制度といえるでしょう。

iDeCoで運用をしなくても自分で資産運用ができる人は、iDeCoではなく、NISAや積み立てNISAなどに投資したほうが節税効果が大きくなるかもしれません。

iDeCoは人によっては非常に節税効果も高く、貯蓄性の高い制度です。
ただ、必ずしも誰にでも優位な制度ではないということに注意してください。

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