公務員には自分の境遇を良くするとか、自分の資産を形成するとかを考えている人が少ない気がしています。
また、公務員というのは旧態依然としていて、財形貯蓄と公務員共済(公務員向けの保険制度のようなもの)に入るのが絶対正義という環境が多いようです。
過去の記事でも書いたとおりですが、財形貯蓄制度で資産運用をした気になっているのは非常にもったいないと思います。

公務員にもおすすめの資産運用について、自分の経験をもとに書いてみたいと思います。
公務員が実践すべき、おすすめの資産運用とは?
おすすめと言っても、あくまで私個人の経験上の話です。
当然ですが、独身か既婚か、子供はいるか、持ち家があるかどうかなど、条件によっておすすめの投資方法は変わってきます。
一般論として、公務員全般に言えるおすすめの資産運用について紹介します。
まずは何はともあれ「ふるさと納税」を活用しよう
公務員だろうと会社員だろうと自営業だろうと、まずはふるさと納税で節税を行うべきです。
自分の住む自治体に納める税金を節税することに抵抗があるかもしれませんが、関係ありません。節税しましょう。
ふるさと納税は国の法律が認める制度です。利用しないと損です。
一時期はふるさと納税した額の5割以上の返礼品をもらえるのが当たり前でしたが、いまは改正されて返礼率は3割未満になってしまいました。
とはいえ、納税した額の3割の品を受け取れるというのは間違いなくお得です。
納税額の一部がそのまま自分に帰ってくるサービス、ほかには一切存在しません。
生活必需品を返礼品にしている自治体も多いので、お米や日用品などの生活必需品を受け取って、日常の必要経費を減らしながら節税すれば、かなりお得です。
もちろん、普段なら自分では買わないようなぜいたく品を返礼品として受け取るのもいいでしょう。
何を受け取ったとしても、自己負担は2千円で済ませることができます。
どんな資産の運用よりも優先して、絶対にふるさと納税を行いましょう。

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保険に入るなら掛け捨てで十分。最低限の公務員共済に入ろう
保険に入るのは必ずしも必要とは思いませんが、先立つ不安を取り除く意味では入っておいてもいいでしょう。
掛け金に応じて所得金額の控除を受けられるため、ささやかですが節税効果もあります。
特に公務員は精神を患う方が非常に多いため、精神系の症状も保障してくれる商品を選ぶことをおすすめします。
地方公務員になると職場の組合から加入をあっせんされるのが自治労共済ですが、これが意外とおすすめです。
毎月支払う組合費は割高ですが、共済費用は民間保険よりもかなり安く、充実した保障になっています。
組合に入っていない人はともかく、組合組織に加入しているのに民間保険に入っているという人はもったいない!
組合費を無駄に支出しているといえます。
民間保険よりも共済への加入をおすすめする理由は、掛け金の安さはもちろんですが、「長期療養収入補償制度」が存在しているからです。
長期療養収入保障制度とは、長期間に渡り療養が必要なために仕事に復帰できない場合に、収入を保証するための制度です。
収入保障という名称ですが、実質的には精神系の症状に対する保障として活用されます。
精神病の場合、身体的な症状と比べて入院を要する期間が短い場合が多く、入院費保障や一時金といったお金が支給されません。
その代わりに、長期療養収入補償制度を利用することで、長期間の保障を受けることができます。
保険制度として導入されている場合でも、掛け金が非常に高かったり、保険金を短期間しか支給されなかったりと、実用的な保険になっていません。
以前某保険屋さんとお話したときに、「日本人の精神系の罹患率を考えると、あまり手厚い保障をすると大赤字になる」とおっしゃっていました。
共済制度は精神系以外にも、身体の症状についても最低限の保障があります。
少ない掛け金で現実的な保険をかけるなら、共済への加入をおすすめします。
最低限の貯金以外は投資に回そう
ふるさと納税、共済保険に資金を投入して手元に残ったお金のうち、当面の生活に必要な分以外はすべて投資に回してしまいましょう。
急な出費に備えられるよう、いつでも現金化できる貯金をいくらか用意しておけば、残りは全部投資に使ってもいいと思います。
あまり大きな金額をすぐに現金化できる状態にしておくと、どうしても浪費してしまいがちです。
それに、現金として手元に置いておいても、お金は一切増えません。
預金しておいても、預金の利率は0.001%とかなので全然いいことはありません。
どんどんお金は投資に使いましょう。
以下、個人的な投資の際の留意点です。
地銀やろうきんの投資信託は使っちゃだめ
身近だからといって、近くの銀行や、普段から利用しているろうきんで投資の相談をしてしまう方がいますがおすすめできません。
金融商品のバリエーションも少ないし、金融機関に支払う手数料も割高です。
投資申し込み手数料として、投資総額の3%ほど持っていかれるほか、信託報酬もネット証券会社などと比べると高めです。
選べる金融商品の数も少ないため、商品選択の自由も制限されます。
あと、銀行やろうきんに「お金のプロだから」という理由で投資信託の商品選びを任せてしまうのは本当に危険です。
金融機関は、自分の会社組織がもうかる商品を顧客におすすめします。
よほどの信頼関係がない限り、顧客の利益を最優先で動く金融機関は存在しません。
リーマンショックが起きた時、ゴールドマンサックスの顧客は大損をしたが、ゴールドマンサックス自体はそこまで被害を受けなかったという話は有名です。
真実かどうかはさておき、金融機関とはそういうものなのです。
自分のお金の投資先なのに、金融機関に全部お任せしてしまうのは危険です。
どんな金融商品に投資するかは自由ですが、自分で納得できる形の投資を行いましょう。

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自分で運用を楽しむなら株式投資がおすすめ
公務員として働きながら投資を楽しむなら、個人的には株式投資をおすすめします。
好きな会社の株式を買ったら、あとはほったらかしでOKなのでお手軽ですし、定期的に配当金や株主優待を受け取ることができます。
非常に多くの会社が株主優待制度を導入しているので、投資先選びが楽しい。
配当金を得るだけなら投資信託でも十分ですが、株主優待は個別株を自分で買わないと受け取ることができません。
自分で資産を運用しているという実感もあり、投資を楽しむのであれば株式投資がおすすめです。
自分で判断するのが面倒ならウェルスナビがおすすめ
株式投資は楽しいですが、自分が投資した会社の業績に連動して資産の評価額が上下するため、ストレスに感じる人もいるでしょう。
自己判断で投資先を決めるのが面倒という人もいるのかも。
面倒なことは考えず、とりあえず資産を運用したいという方には、ウェルスナビという全自動投資信託が手軽でおすすめです。
投資したい金額を入れたら、あとはロボットが全自動で運用してくれます。
信託報酬も業界最安クラスで、運用成績も高い。
もちろん他の投資信託と同様、元本割れのリスクはありますが、自分で運用するよりは安心して投資を任せられます。
楽しいかというと、自分の裁量で投資先を決めるわけではないし、株主優待などの投資家ならではの楽しみもないので、面白みには欠けます。
ローリスクハイリターンな預金、という感じかもしれません。
当然、ウェルスナビがローリスクとはいえ、普通の預金よりはハイリスクなので投資は自己判断でお願いします。。。
老後に備えるならiDeCoがおすすめ
株やウェルスナビは中期的な投資に向いていますが、老後の備えを増やしたいということであれば、iDeCo(個人が肩確定拠出年金)による資産運用が堅実です。
iDeCoのメリットやデメリットについては別の記事で書いていますので参考にしてみてください。

要点だけ説明すると、iDeCoの特徴は以下のとおり。
・運用益が非課税になる
・元本保証はされていないため、投資額より受け取れる額が少ない可能性がある
・原則、退職金を受け取る年齢以降にならないと積立てたお金を受け取れない
・職業によって投資限度額が設定されている(公務員は月12,000円が上限)
公務員の場合、毎月の掛け金の上限が12,000円と少額なのが欠点ですが、年間で144,000円を堅実に老後の蓄えにすることができます。
投資額が全額所得控除の対象になるので、節税効果も高く、堅実に将来に備えるならiDeCoが一番間違いないでしょう。
ただ、ローリスクローリターンなので資産を増やしたいという方にはおすすめしません。
また、現役世代のうちにお金を自由に移動させられないので、デメリットも大きい。
リスクを負って資産を増やすよりも、低リスクでコストを抑えたい人向けです。
公務員向け資産運用方法、まとめ!
今回は触れませんでしたが、ETFやREITなどの投資信託や、FXなどの外貨投資、不動産投資など、一口に投資と言っても方法は人それぞれです。
本格的に自分にぴったりの資産運用について知りたいという場合は、各地で各種スクールや、ファイナンシャルプランナーへの相談会も実施されているので、参加してみることをお勧めします。
私も過去に参加したことがありますが、自分で調べても分からないような疑問でも解消できて有意義ですよ。
安定指向の人が公務員になりがちですが、公務員が本当に、今後も安定した職業であるという保証はありません。
少子高齢化で税収が減れば、給与も今の水準を維持できるかはわかりません。
自分で自分の身の安定を守るためにも、少しでも若いうちに投資を始めることをおすすめします。
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