公務員は安定しているの?現役公務員が伝えたい行政職場の実態は。

公務員というと、「不景気でも安定している」とか「安定して昇給する」とか「よほどのことがないとクビにならない」などのイメージを持っている人が多いと思います。

私自身も公務員になるまではそのようなイメージを持っていました。

この公務員に対するイメージはすべて、間違ってはいませんでした。
でも、決して正しくもありません。

公務員として働くということがいかに不安定なのか、私自身の経験から意見を述べたいと思います。

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公務員職場は安定していない。

公務員がどれだけ安定していない職業なのか、よく理解してほしい。

苦労を知ってほしいわけではありません。
ただ、「公務員は楽で安定している」というイメージで、安易に目指して後悔してほしくない。

以下に当てはまる方には、特に読んでほしい。

これから就活を控えている方
自分の子供を公務員にしたいと思っている方
公務員が楽で高給取りというイメージを持っている方

公務員の現実を知ってもらいたい。それだけです。

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公務員の給与は安定している?不況に強いが災害に弱い

まず、公務員の給与について。

公務員の給与が安定して支給されるのは事実です。
日本経済が不況でもボーナスは普通に支給されますし、不況に関係なく昇給もします。

民間企業を基準にして給与水準が決定されるため、不況が全く公務員に関係がないというわけではありませんが、少なくともボーナス不支給ということはあり得ません。

会社の業績が下がったらボーナス削減という企業も多いでしょうから、その点は公務員は恵まれていると言えるのかもしれません。

 

ただ、一般企業と違う点もあります。
公務員は、災害が起こると給与を削減される場合があります。

 

たとえば震災が起これば、その復興費用の多くは税金から捻出されます。
国から地方自治体に補助金が出るとしても、全額補助してくれるわけではありません。

各地方は、国庫からの補助で不足する分は、税収や借金で払わなければなりません。
でも、災害で家や仕事を失った人から税金をもらうことはできませんよね。

税収は減るのに支出は増える。
そうなったときに真っ先に削減される支出は、現場で働く公務員の給与です。

 

一度削減された給与は、なかなか元に戻りません。
復興がある程度完了したとしても、財産や家族、仕事を失った住民を考えると、おいそれと給与を元の水準に「増額」することはできません。

景気の変動には強いのが公務員の給与ですが、地震や水害などの災害などの影響でいつ削減されるかわからないという不安定な面もあるのが現実です。

 

KELLEPICS / Pixabay

安定して昇給するしクビにならないのは事実。どんな無能でも。

公務員は基本的に安定して昇給します。
給与の水準は民間の給料を基準に決めているので、必ずしも高給取りになれるわけではありません。
とはいえ、田舎の地方公務員であれば、地元の民間企業で働くよりも遥かによい給料をもらえるかもしれません。

また、基本的にクビにはなりません。
公務員の世界ではクビのことを分限免職、懲戒免職などと呼びますが、逮捕されて起訴されるような犯罪でも起こさなければ、基本的には職を失うことはありません。
景気が悪いからといってリストラされることはまずありません。

早期退職を勧められることはありますが、断ってもクビになることはないです。

 

 

さて、公務員がクビにならず、安定して昇給するということは何を意味するか。

つまり、どんな無能でも昇進し、上司になり得るということです。

もちろん、よほど勤務態度が悪かったり成績不良な場合は昇給や昇進がストップしますが、目立った問題さえ起こさなければ基本的には年功序列で出世していきます。

規模の大きい公務員職場であれば年功序列より能力に応じて出世していきますが、町村役場くらいになると、ほぼ年功序列の慣習が残っていますね。

 

どんなに無能な嫌われものでも昇進して上司になり得るというのは、民間企業でも同じかもしれません。

でも、公務員の場合は次元が違うと思います。

その理由の一つは、公務員は基本的に筆記試験の成績が第一優先で、面接でのふるい落としが機能しにくいことが挙げられます。
ひどい自治体だと、筆記試験を通過した職員は全員採用されることもあるくらいに、面接でのふるい落としが機能していません。

しかも、公務員職場は労働組合の発言力が強い場合が多く、人格的に問題があろうと、仕事ができなかろうと、昇進を止めると労働組合が黙っていません。

役所は「事なかれ主義」なので、仮に人格的に問題がある人の出世を遅らせてトラブルになるくらいなら、周りと合わせて出世させてしまうという面もあります。

 

では、そういう厄介な人が上司になったらどうなるか。
たとえ自分の給料が安定しているとしても、精神的な安定は得られません。

残念ながら、いまの公務員職場にはそういう厄介な人が所属長を務めている場合が多いです。
幸いにして私自身はそういった上司に当たったことがありませんが、知り合いの公務員で何人も上司に潰された人を見てきました。

 

 

公務員 ストレス

1388843 / Pixabay

 

公務員として働いて得られるスキルはほとんどない

公務員として働くのは精神的に安定していないと気づいて、転職活動を始める方も少なくはありません。

でも、転職活動を始めると多くの方が気づくんです。
公務員として働いてきたことで得たスキルが、非常に少ないということに。

 

特に事務職として採用された人の場合、この傾向は非常に顕著です。
公務員の仕事は、公務員の世界でしか生かせない専門知識によるところが非常に多いです。

税金、戸籍、予算編成、予算執行、許認可、法案や条例、規則の改正などなど、公務員事務職の仕事は多岐にわたります。
しかし、ここに列挙した仕事の多くは、民間企業で一切役に立ちません。

 

役所の多くでは文書作成ソフトとしてワードではなく一太郎というソフトを使っていますが、一太郎を使っている民間企業も非常にレアですから、一太郎のスキルはほぼ生きることはないでしょう。
エクセル操作すらも、簡単な関数操作すら使えない公務員がほとんどで、自主的に知識をつけない限りはまったく身に付きません。

 

与えられた業務をこなしつつ、資格や知識を身に付けていかなければ、転職活動で役立つような能力を得ることは困難なのが公務員の特徴です。

転職活動をしようと思った頃には、自分には何もないことに気づいて慌てる、というのがよくある事務職公務員の姿です。

 

どれだけ努力して成果を出しても、まったく評価につながらない。年功序列には逆らえない。
公務員という職業に失望しても、簡単には転職ができない。
給与が安定しているからといって、目指すべき職業かというと疑問です。

 

定期的な配置換えのせいで仕事が覚えられない

公務員職場は数年ごとに職場異動があります。
これまでやっていた仕事と全く別の仕事を、イチから覚えなおすことになるため、自分の業務について深い知識を得ることが難しいのです。

せっかく覚えた知識が、配属先が変わったら一切使えず、新採用と同じ立場に戻ってしまうのは精神的にしんどいんです。

国税専門官や労働基準監督官などの国家専門職や、自分の専門性を活かせる技術職であれば話は変わりますが、一般的な事務職は異動するたびに仕事の覚えなおしが待っています。

 

これは公務員に限らず、規模が大きい会社になればどこでもあり得る話です。

たとえば総合商社など、就活生から人気があるような会社というのは、実際に入ってみるとかなりつらい現実が待っていると思われます。

 

 

人の入れ替えが少ないから、人間関係がこじれるとヤバい

前述のとおり、公務員はクビにならないし、大したスキルも身に付かないから転職する人もおらず、人の入れ替えが少ないです。

 

大規模自治体や、全国転勤がある国家公務員であれば話は別ですが、市町村の公務員は人事異動があっても基本的に役所内異動なので、一度人間関係が固定されると、関係を変えるのは至難の業。

若いころのちょっとした失敗を、自分が出世してもからかわれるなんてこともザラです。

 

これは役所に限らず、規模の小さい民間企業などでもあり得る話ではあります。
ただし民間企業と違って、公務員職場はまったくというほど他の職場で役立つスキルが身に付かないので、人間関係がつらくても転職と言う逃げ道がないのが地獄。

若いうちなら転職してやり直す可能性もありますが、それなりに年齢を重ねて、仕事以外に自分で技能や資格を得ていないと詰みです。

一度こじれた人間関係を回復するのは、不可能というほどに困難です。

公務員 人間関係 ヤバい

Free-Photos / Pixabay

まったり高給のイメージを作ったのは昔の公務員

実際に現場で働いている公務員は、「まったり高給」というイメージとは大きくかけ離れています。

日付が変わるまで残業しても仕事は終わりません。
残業代が支払われるかは予算次第です。
税収は限られているので、予算を超えて残業代を払うことはできません。
残業代を払うことができなくなれば、当然サービス残業ということになります。

 

まったり高給でよい生活を送ってきた公務員は、現役の公務員にはほとんどいないと思います。

少子高齢化により税収がどんどん減っているので、まったり働いている人に高給をあげられるような時代ではないんです。
働き手が多かった一昔前は、日中のんびり仕事をして、終わらなかった仕事を夜にやって残業代を稼ぐのが当たり前だったようですが、今の時代には通用しません。

むしろバリバリ仕事をしても報われることが少ない。
それが今の公務員の姿です。

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まとめ。

公務員と一言でいっても、いろいろな職場、いろいろな職種があります。

私の経験した公務員職場がすべて正しいとは思いませんし、どこかの自治体には、未だに「まったり高給」の職場が存在しているかもしれません。

 

ただ、そんな職場に行ける可能性は、宝くじが当たるくらい低い確率です。
私は、自分の身内には絶対に公務員はおすすめしません。

たぶん、現役公務員のほとんどが共感してくれるのではないでしょうか。

 

たとえ金銭的には安定したとしても、精神的安定を得られる可能性は非常に低いです。
定時で帰れる楽な仕事は待っていません。
職場によっては土日も休日出勤が待っています。余暇は過ごせません。
転職したいと思っても、採用してくれる会社は非常に限られます。

 

 

もしも公務員として働くことに憧れを持っている方がいるなら、ぜひ考え直してほしいと思います。

少なくとも、憧れを抱くような素敵な職場では絶対にありえないので。

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